28億7000万円の馬券を購入して約30億円の配当を受け取ったことで、競馬ファンのみならず世間の注目を集めた、いわゆる“競馬裁判”。
その神がかった馬券術で、競馬で億万長者になるということとが夢ではないこと証明した卍さんですが、その卍さんが昨年裁判や馬券術についてまとめた本を昨年出版したのはご存知でしょうか?
わたしが競馬システムを開発し始めたのも、元々は卍さんに受けた影響が強く、発売されると知るやすぐさまその本を買いに行きました。
内容については、家にマルサがおしかけてきた話などは非常に興味深く読ませていただきましたが、馬券術については大枠についての説明がほとんどで、核心に迫るとまではいかない内容でした。
しかしそんな中でも、実際の券種別の的中率や回収率情報が載っていた点については、大変満足でした。
詳細については実際に本を読んでいただきたいですが、卍さんの的中率と回収率について、私なりの見解をまとめてみました。
1. 単勝回収率がマイナス
私が競馬予想システムを開発時にシミュレーションを行った際、単勝は比較的回収率100%を超えやすい券種だという結果になったので、この結果には多少驚きました。
個人的なシミュレーションでは、三連単>馬単>単勝>三連複>馬連>枠連>ワイド>複勝の順で高い回収率を出しやすいという結果になり、その代わり負けた時に大きなマイナスが発生するのもこの順番だと考えていました。
2. 複勝回収率がプラス
複勝回収率がプラスといのは、わたしにとって衝撃的な結果でした。
というのも私は複勝の予想シミュレーションで回収率100%を超えたことが一度もないためです。
スピード指数1位の馬を複勝で買い続けた場合、予想ロジックの調整次第ではありますが、だいたいの的中率は40~50%程度になると経験上感じています。
それに対して平均的中オッズが1.6~1.9倍程度のため、単純なスピード指数ベースの予想法で回収率100%を超えるのは、とても難しいものがあります。
もちろん特定のオッズ以上の配当がつかなければ買わない(例:5倍以上 …etc)といったルールを試したりもしましたが、結局平均的中オッズと的中率のトレードオフでその方法もうまくは行きませんでした。
ちなみに卍さんの複勝的中率は約14.5%、回収率は102.9%だったので、複勝で平均オッズ7倍の馬を14.5%の確率以上で当て続けていたことになります。
普通に考えて、複勝で平均オッズ7倍の馬を約7回に1回当て続けるのはなかなかの至難の業です。
この点から行っても、卍さんの馬券術の凄さがわかります。
3. “追い下げ買い”でほとんどの券種で回収率100%を大きく超えている
追い下げ買いとは、所持金の一定割合(8~10%程度)の金額を投資し続ける方法です。
連続して当たれば所持金と掛け金がどんどん膨らんでいくのに対して、はずれ続けるとどんどん所持金と掛け金が小さくなっていく、一撃もあるが、スランプが続くと回収不可能に陥るリスクの高い投資法です。
ちなみに卍さんはこの追い下げ買いで、資金を爆発的に増やしたことが勝因なのですが、実はこの追い下げ投資法は、毎レース同じ金額をかけ続ける投資法に比べて、はるかに回収率が低くなる方法だったりします。
自分はシミュレーションを行う際に均等金額でかけ続けた場合の的中率と回収率を計算していましたが、この方法で高回収率が出たとしても、まったく同じロジックで追い下げ投資を行うと、ほぼ例外なく回収率が大きく下がります。
もっともわたしの馬券ロジックの的中率が低いことも一因としてある(回収不可能になるスランプが起きやすい)のかもしれません。
こうした勝てるシステムを徹底的に研究し開発された【AI競馬新聞】をご存じでしょうか。単なる数字の羅列だった競馬新聞をグラフに視覚化したものでカンタンにレースの性質が分かるようになりました。
たとえば、数字に差がなければ「このレースは混戦レースかもしれない」ということが分かりますし、そうしたら資金不足だから回避したほうがいいという適切な判断ができることで資金回収を効率化することで10年プラス収支者を輩出しています。
前走レースの不利もアイコンで分かりやすく表示されるため、どのように馬券を構築するべきか初心者でも分かりやすいのが特徴です。